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文房具は置いて旅に出よう 〜 カシオペアに乗ってきました!

以前、寝台特急列車「カシオペア」の切符獲得に関するよもやま話を友人(後輩)に書いてもらいました。今回は、それに続く乗車体験記です。


さて、念願のカシオペア寝台特急券を手にしたその日から、同じように切符を手に入れた皆がそうするであろう、旅行準備と体調管理に万全を期しながら乗車日を指折り数えて待つ日々がはじまりました。

時期的に大雪なども考えられるし、確率は低いとはわかっていても災害や鉄道事故が起きたらどうしようとやきもきしました(実際、JR 北海道管内のトンネル事故により数日間の路線運休が発生したので、本当にヒヤリとしました)。いま冷静に考えれば「さすがに心配しすぎだろ!」と可笑しくもあるのですが、そうこうしているうちにだんだんと乗車日が近づいてきました。

カシオペアの特急券切符は 1 か月前に取ったので乗車までには 30 日間あるわけですが、復路の切符を取ったり、札幌に着いてからの行き先を色々考えたりしているうちに、はじめの 3 週間はわりと早く過ぎた印象です。しかし、最後の 1 週間は、まだかまだかと 1 日が 48 時間くらいに感じられました(笑)

待ちに待った乗車日当日、この日のために準備した厚手の服や防滑防寒仕様のブーツを決め込んで、時間に相当の余裕を持って上野駅へと向かいました。

カシオペアは上野を発車する 40 分くらい前に入線してきますので、乗車前にわりと余裕があります。せっかくなので入線の瞬間は動画で撮ってみようと思い、撮影場所を決めるのにウロウロしていると、撮り鉄と思われる高校生くらいの男の子がおススメの位置というのを教えてくれました。上野駅 13 番線のホームは少しカーブしているので、そのポイントから撮ると電車の正面と曲がってくる車体とがよく撮れるのだそうです。お勧めに従ってその場所で撮ることを決めて、ドキドキしながら電車が入ってくるのを待ちます。

ホームアナウンスが流れて入線時刻となり、ややゆっくりと銀色の車体が近づいてくるのが見えてきました。動画モードに設定したデジカメを構えて、カシオペア号が入ってくる姿を撮影します。13 番線は地下ホーム(※厳密には 2 階建ての 1 階)なので、外の光が入ってこないことを考えればそれほど明るくはないはずなのですが、入線してきた銀色の車体は、私にはひときわ輝いて見えました。

上野駅のカシオペア

電車のホーム到着後、荷物の車内積み込みが優先されるとのことで、乗車はしばらくお待ちくださいとアナウンスが流れました(お客はすぐには乗れないみたいです。知りませんでした…)。その隙に反対側の 14 番線にダッシュして、先ほどとは反対側からカシオペアのヘッドマークや車体などを撮影します。

結局、発車のアナウンスが流れるギリギリまでカシオペアの概観を撮りまくっていました(^^;ゞ

そしていよいよ、念願のカシオペアへの乗車。十数年前の「北斗星」以来の寝台列車は、落ち着いたブラウンが基調の壁や通路とがオール個室の車内独特の静寂感と相まって、とても重厚な印象。あくまでも電車の中ですのでお世辞にも広いとは言えませんが、部屋の中もリラックスして過ごすには十分のスペースが確保されていました(乗車したのはメゾネットタイプのスイートで、部屋は 2 階構造になっています)。お手洗いだけでなく、シャワールームやクローゼットまで付いており、とても贅沢な空間でした。

ついにカシオペアが発車して、地下ホームを過ぎて地上へ出ると、大きな窓から外の光が入ってきて、一気に部屋の中が明るくなったように感じられました。いよいよ長い寝台列車の旅のはじまりです。

上野駅を出てしばらくのあいだ車窓を眺めていましたが、予約しておいたダイニングの 1 回目の時間が近づいてきたので、少し早めに食堂車(ダイニングカー)の 3 号車へ向かうことにします。

1 回目のダイニングは、懐石御前です。お重にコンパクトに詰められていたのですが、実際にいただいてみるとなかなかにボリュームがあります。お刺身に添えられていた海藻が北海道の形になっていたのにはびっくりしました(笑)。

食事のあと、そのまま部屋へは戻らずに最前部にある展望車へ向かいました。陽が短い時期なので、あたりはすっかり暗くなっていて、景色を楽しむというよりも、車内のつくりや目の前で走る牽引車の観察です。ちょうど、展望車にある売店が営業を開始したので、帰り際に立ち寄り、サブレやストラップ、コースターといったグッズを買い求めました(このあとも展望車には何度も行きました)。

ちなみに、グッズは車内販売でも買うことができます。カシオペアは全室個室なので、ワゴンが近くに来ると室内にあるサインで知らせてくれるのです。すごい!

列車は東北本線を進み、車窓からの景色もずいぶんと変わってきました。岩手県に入り一ノ関を過ぎたころにはチラホラと雪が舞いはじめ、青森駅に着いたときにはあたりは真っ白。東京で見るのとは違う、こんもりと積もった綺麗な雪が車窓から見えました。

青森駅は運転停車のためホームに降りることはできませんが、開業予定の北海道新幹線の試運転の関係で、10 月以降は従来よりも長く青森駅に停車します(2.5 時間くらい)。真夜中では青函トンネルに入る瞬間を見るのも難しそうなので、ここらでいったん就寝。寝台車ならではの電車のベッドを堪能することにしました。一般的な寝台車では「JR」のロゴマークが入った白地の浴衣ですが、用意されていたのはカシオペアのロゴが入った専用のものでした。さすが!

青函トンネル通過中もなかなか寝付けずに何度も目が覚めてしまいましたが、トンネルの中ではどこを走っているのかわかりません。そうこうしているうちに、走行音が変化して、外に出たことがわかりました。でも、あたりはまだ真っ暗。少しウトウトしてから再び目が覚めたときには、あたりはだいぶ明るくなりつつありました。

雲が多かったようで一気に明るくとはなりませんでしたが、大沼を通過するあたりでは、だいぶ陽も昇っていました。夏の「北斗星」から見た景色とはあまりにも違う一面の白世界に驚き、なかなか上手く撮れなかったけれども何度もシャッターボタンを押してしまいます。

海沿いを走ったり、車内アナウンスで駒ケ岳や樽前山などを紹介してくれたりと、綺麗な景色を存分に堪能しました。

およそ 20 時間の旅もいよいよ終着が近づき、「まもなく終点札幌」の案内が室内に流れました。もう終わりか〜という名残惜しい気持ちをぐっとこらえ、降車の準備をはじめます。そして、カシオペアは静かに札幌駅に到着しました。

さすが真冬の北海道、ホームに降りたとたんに冷たい空気が身に沁みます。道内に入ってから徐行区間があって少し遅れての札幌到着だったのですが、回送時間は予定どおりというアナウンスが流れたため、急いで写真を撮るべくホームを走り廻りました。上野駅では銀色の EF-510 だった牽引車は、青色塗装の DD-51 に変わっており、青い車体に取り付けられた「CASSIOPEIA」のヘッドマークをしっかりと写真におさめてきました(先頭車がかなりホーム先端まで来ているので、なかなかバッチリのアングルとはいかなかったのがちょっと残念…)。

カシオペアのヘッドマーク

こうして夢のような時間はあっという間に過ぎ、回送していくカシオペアを最後まで見送って上野から札幌までの寝台特急乗車の旅は終わりを迎えました。

追加運転として発表された 3 月のカシオペアの運行予定終了まであと少し。4 月以降も団体専用列車として運行が継続される目途がついたようで、新聞等でも取り上げられました。今回とは違う形でも、いつかまたカシオペアに乗ることができたら良いなと思います。

— 以下、オマケ —

東京への帰りの経路には、飛行機ではなくまたしても電車の旅を選びました。鉄道に詳しい先輩方に教わった「はまなす」という列車です。

はまなすは寝台急行という今となっては珍しい種別の列車で、夜遅くに札幌駅を出発して翌朝早くに青森駅へ到着する文字通りの「寝台急行」。最近では、最後の定期運行の急行列車ということで記事等に取り上げられることも増えてきました。時代を感じさせる青い車体は、まさに「北斗星」そのもの。実際に北斗星で使われていた「B寝台」も連結されています。

寝台車のほかに、カーペットカー、ドリームカー、簡易リクライニングの自由席も連結されているというバリエーションに富んだ編成のとても面白い列車でした。

豪華で贅沢な造りのカシオペアとはある意味真反対の電車ですが、これはこれで大変「味」のある電車旅を堪能することができたのでした。

それにしても、青森の雪と寒さが札幌のそれより凄いとは…

(完)

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